二十四節気 冬至
二十四節気 冬至(とうじ) 12/22〜1/5頃
毎年この頃が最も忙しい時期に思います。
1年のうちで1番昼が短く夜の長い「冬至」は、これを過ぎると昼の時間が長くなっていくことから、かつては「太陽の再生」を意味するとして、さまざまな文化圏で祭事と結び付けられました。
クリスマスの起源に数えられる北欧の「ユール」もそのひとつで、古代文明の中でも極めて天文を重視し続けたマヤ文明も、冬至や夏至といった太陽の変遷はとても大切に考えていたと考えられています。
日本の暦文化のきっかけとなった中国でも、陰陽思想において“陰極まって陽に転ず、一陽来復”の日と考え、やはり重要な日。
諸行無常が常の世の中ですが、こうした節目の頃はことさら体調に変化の現れる時期でもあります。
年末年始だからこそ張り切ってしまうタイプのわたしとしては、三が日が過ぎてからようやくお休みの本番のような気がしないでもなくもなく、頑張りたいことがあるからこそ、自分の身と心を第一に、今年もゆっくり進んでいけたらいいなと思います。
七十二候
『乃東生(なつかれくさしょうず)』:12/22-12/26
.......「乃東」とはウツボ草のことで、夏に枯れるこの花はこの頃に芽を出し、春と夏に至るまでたくましく成長します。
『麋角解(さわしかのつのおつる)』:12//27〜1/31
.......「麋」(おおしか)と読みます。鹿の角は1年で生え変わり、それまで立派にあったものがある日ぽっとり落ちるんだとか。生命の神秘です……。
『雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)』:1/1〜1/5
.......雪の下で麦が芽を出す頃。ふきのとうもそうですが、冬は地中こそさまざまな命が躍動する大舞台。地上の静けさと打って変わり、大地の下は誕生と成長の一大パレードが繰り広げられています。
祭事 大晦日とお正月 12月31日-1月3日
晦日は本来その月の30番目のことを指しましたが、暦の事情も無常であり、現在は月の最終日を言い表す言葉になりました。
12月31日は1年の最終日であるため、特別に「大晦日」と呼ばれます。
かつての大晦日は、年神さまをお迎えするために一晩中起きているという風習があったそうです。早く寝ると白髪が生えるとか、皺が増えるとか……。
そうして迎えた新年、迎えた年神さまと1年の実りを祝い願うのが「お正月」。
年神さまの正体は田の神とも、ご先祖さまとも言われています。
民俗学において「来訪神」と呼ばれる「移動する神様」で、「客人(まれびと)」と呼称されることもあります。秋田のなまはげや、山形のカセ鳥、また夏の大祓でよく知られる蘇民将来の家に訪れた素戔嗚神(牛頭天王)も来訪神の特性を持っていると考えられています。
神道においてはお稲荷様で知られる稲魂(うかのみたま)神とご兄妹(姉弟?)であるとされ、何にせよ、生命のサイクルに欠かせない神様であることに間違いありません。
参考文献
◇ 『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』新谷尚紀
◇『七十二候の食薬レシピ』大友育美
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